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AIとコードの危険性、
本質的な議論とは?

INTERVIEW

AIとコードの危険性、本質的な議論とは?

AIが書いたコードは危ない? その問いの裏に潜む「本質」をTaro先生と探ります。

AIが生成するコードに対する不安の声が高まる中、そもそも「危険性」とは何に起因するのか。本当に注目すべきポイントは「AIか人間か」ではなく、もっと別のところにあるのではないか?そんな問いに対し、エンジニア・教育者として活躍するTaro先生に話を伺いました。

Taro先生

大杉 太郎

Taro Osugi

茨城県つくば市出身、北海道大学大学院を2013年卒業。大手医療系メーカーにて企画・設計・開発のリーダーを経験の後、G’s ACADEMY TOKYOのDEVコース(7期)を卒業、プログラミングにのめり込む。卒業後は仕事の傍ら、ジーズアカデミーでチューターとしてプログラミング教育活動に従事。2018年の福岡校開校とともに、メーカーを退職し福岡に転居して「ジーズアカデミー福岡 主任講師」に就任。MENSA会員。

かっしー
かっしー

最近「AIが書いたコードは危険だ」という議論を耳にしますが、Taro先生はこの点をどう見ていますか?
Taro先生
Taro先生

よくある問いですが、私は「AIか人間か」という視点自体が本質ではないと思っています。人間が書いたコードにもバグや脆弱性は避けられません。HeartbleedやLog4Shellなどの例が示すように、人間が書いたからといって安全ではないんです。
重要なのは、それがどう検証され、どう運用されるかだと思います。

かっしー
かっしー

なるほど。ただ、AIならではのリスクもあると聞きます。その点については?
Taro先生
Taro先生

たしかにAI特有のリスクは存在します。
・ブラックボックス性(なぜそのコードを生成したか分かりにくい)
・信頼の錯覚(AIが正しいというバイアスがかかる)
・スピードと量(未検証のコードが大量に拡散する)
といった点ですね。ただ、これも「AIが危ない」というより「運用と検証体制が追いついていない」ことが問題なのです。

かっしー
かっしー

教育現場ではどうですか?AIを学ぶ側にとっても影響がありそうです。
Taro先生
Taro先生

すごく関係します。AIは便利なツールですが、それを「どう使うか」考えられる人が求められています。
コードを書くだけでなく「なぜこのコードなのか?」「動かした後どうなるか?」といった視点を持てるかどうかが分かれ道になります。
特に学習初期こそ、自分で手を動かして、試して、失敗して、理解していくプロセスが大切だと感じますね。

かっしー
かっしー

学び方も変わってきそうですね。先生が普段、学ぶ人に伝えていることがあれば教えてください。
Taro先生
Taro先生

よく伝えているのは、「わからないことを怖がらないこと」と「自分で考え抜く習慣をつけること」です。
AIを使うにしても、それを「使いこなす」には基礎の理解が欠かせません。
自分の頭で問いを立てる、仮説を持つ、検証する——この基本ができていれば、AIも強力な相棒になりますよ。

かっしー
かっしー

最後に、このテーマのまとめをお願いできますか?
Taro先生
Taro先生

危険性は「誰が書いたか」ではなく「どう検証されるか」によって決まります。
そしてAIには固有のリスクもあるからこそ、AI時代には「設計・運用・検証」をいかに体系化するかが問われています。人とAI、どちらかに責任を押しつけるのではなく、信頼性をどう担保するかに目を向けることが、建設的な議論への第一歩だと思います。

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