2026年に開催したGGA(GLOBAL GEEK AUDITION)で、見事優勝を果たした山越泰斗さんにインタビュー。
神戸大学経営学部卒業後、大手エネルギー会社に入社。太陽光・風力・蓄電池などの再エネ発電事業に携わり、開発・運営から資金調達、電力売買まで一貫して経験。企画部門の部長職を経て、2026年に独立した山越さん。
10年間、電力分野の実務経験を積み上げてきた山越さんが、なぜ今G’sの門を叩いたのか。そして、プロダクトの背景や、ジーズで得たものとは何か、話を聞きました。
■発電所の「再生」から始まる、大きな事業構想
やはり何かを作る作業に没頭できる時間というのはとても楽しいです。ただ、それを形にするには、結構いろんなところにぶつかり稽古をしないといけないので、そのフェーズが来たなという感じですね。
太陽光発電所の物件探し・資産評価業務を自動化するサービスです。
運営事業の効率化やDXを検討するうえで、データを整備するところが一番大事だと思ったんですね。その作業がまさに資産評価業務かなと。データが整ってはじめて、それを元にした様々な活用や、バリューアップの工事の検討ができるようになる。まずはその入口を自動化して、その後に別の展開をつなげていくイメージです。
入学前の試験の時はエネルギー業界の学習プラットフォームみたいなものを出していたので、大きく変わりましたね。その時はスモールビジネス志向で、自分で作って個人事業主で運営するイメージでした。でも、やっているうちに、それを5年やるのはしんどい、テーマとして燃えきれないなと感じていました。
やっぱり「今やるべきことかどうか」みたいなところですかね。自分で事業をするとなったら3年、5年、10年やり続けることになるので、口で唱えた時に、本当にそう思える分野は何だろうって考えていました。
日本の電力インフラは維持管理がこれから本当に大変になってくる一方で、技術的にはどんどん新しいことができるようになっていく。でも、現場は常に疲弊していて、そこをつなぐ取り組みがなかなか出てこない。自分が実務経験で培ったもので、そこに何か提供できたらなと思っています。
■AIは組織をフラット化する。その確信がジーズに導いた
独立しようと決めた時に、同じ目線の人と頑張れた方がいいなと思っていた中で、起業家コミュニティーに入ろうと思ったのが一つです。もう一つは、エンジニアカルチャーを持った人と出会いたいというのがあって。新しいものって違う文化がぶつかる時に生まれるなと思っていたので、電力の分野とオープンなエンジニアのカルチャーが融合すると何か面白いことができるんじゃないかと。
元々ベンチャー企業に入社していたこともあり、自分で主体性を持って事業をしたいという思いはずっとありました。35になりますけど、やるとしたら今このタイミングしかないなと思って踏み切りました。
それも大きかったです。経営者がAIを使えるのが一番レバレッジが効くと思っていて。
組織の運営という文脈で言うと、AIはコミュニケーションのあり方を変えると感じていたんですね。今まではピラミッド型でしか運営できなかったところが、フラットなチームがAIを使うことでコミュニケーションの摩擦を極限まで落とせる。例えば、電気のエンジニアとファイナンスと法務の人間が、難しい前提知識を一定揃えつつ、共通のコンテキストの上で会話できる世界観がAIのおかげでできるんじゃないかと。
そうなんです。その2つを掛け合わせた場所を探していたんですが、なかなかなくて。以前エンジニアリングの講座を受けたことがあって、Pythonを学んで教材通りのプログラムを書いても、講座が終わるときには最初の内容を忘れていました。結果、全然何も変化を起こせなかった。ジーズは「起業」というテーマがあって、自分の作りたいものを形にするためにプログラミングを使うという点で、自分に合っていると感じました。
2つ面白いなと思っているところがあって。一つは意思決定の話です。現場がスループット100で処理できていても、経営者のところだけAIを使っていないと、そこがボトルネックになってしまう。どれだけ情報を集めて上に上げても、決裁する能力が変わらないと組織全体の出力は変わらないので、上位レイヤーの人間ほど組織の情報処理にAIを組み込むようなことが大事になると思っています。
熱量のある組織を作るという観点です。規模が大きくなると階層構造が前提になって、働く人の熱量って現場やお客様からどんどん遠ざかっていく。出世すればするほど、人を育てるみたいな別の楽しみ方に移っていかざるを得ない。AIで組織がフラット化すると、全体感を持ったまま事業をスケールしやすくなる。仮説ですが、その事業の直接的な実現のために集まったプロフェッショナルがフラットに事業の達成のために動くというのがしやすくなるんじゃないかと。
その重要性は変わらないと思っています。 オフィスワークや間接業務がAIで筋肉質になる世界観でも、意思決定者に求められるのは、現場での経験に基づく、AIでは分からないレベルの深い理解と、分野を超えた総合判断。それは別にAI前と変わらないと思います。また、AIに指示をするにしても、概念的に全く経験したことのないことは調べたりもできません。色々な現場で多くを見聞きする人にとってはいい環境になるかと。
ちょっと私も経験がなく分からないですが、本当に大きな組織だと、組織環境設計や業務・情報フローの設計ができるチームがインフラを構築して、他の人たちはAIを使っているという意識なく業務が高速化されている、という形になったりするんですかね。大きな組織の前提となっているルール設計と一体で検討する必要があり、それはトップダウンじゃないとできないので。
組織設計の中にAIを組み込めている状態ですかね。会社の情報インフラ・業務フロー・権限を整理したうえで、AIと相性がいい箇所はAIを組み込める所は組み込む。それによって、会社の業務サイクルの回転数を上げるイメージでしょうか。
「AIで生み出した余力をどう使うか」の方が、組織の価値観が出るかもしれないですね。効率化した時間をまた別の仕事に間延びさせてしまうのが人間の癖で、ビジョンを示し、意図して配置や業務単位自体を変えないと本当の意味での改革にはならない、AIを入れること自体が目的になってしまうと、何も変わらないと言うのはあるかも知れません。社員からただのコストカットと見られてしまうリスクもある。
■「準備9割」という感覚と、自分ができないことへの向き合い方
そうですね。AIを使いこなすというのは、環境を設定して、コンテキストを準備して、出したいアウトプットを明確にして走らせるという、準備9割みたいな感じなんですよね。その準備のところは自分で考えないといけない。
バックエンドとフロントのイメージとか、どういうAPIが使えるかとか、使えるパーツがイメージできないと組み合わせもわからない。わかる人を連れてきたとしても、その人のレベルを判断できないと思うんですよね。スタートアップの文脈でいうと、経営者が何でもある程度できた方がバットを振る回数が増えるので、自分で学んだことには価値があったと思っています。
コーディングそのものはAIとうまく付き合いながら学んでいきました。ただ、論理構成というか、このファイルはこういう役割をしていて、始まりと終わりはこうで、という構造については、AI任せにせずに自分の頭を動かして学んだ方がいいと思いますね。
成果物が早く出ないと学習は続かないので、さっさと作ってサービスとして運用して、デプロイした先でエラーにぶつかりながら必要性を感じて勉強していく方が身につくんじゃないかと思います。
結構いろんな人にジーズはあっていると思いますが、特に、「最近、自分でやっていないな」と感じている人ですかね。エンジニアリングだけじゃなくて、事業などビジネス面も含めて、人にお願いするばかりで自分で頭と体を動かしていないという人。最近自分で作っていないなという人には響くんじゃないかと思います。
今、やらないことのほとんどは、自分一人ではできないことばかりです。これまでの経験値ではできないことをやることでしか、多分事業はできないと感じていて。ストレスもありますが、久しく感じていなかった感覚でもあるので、それをいいものと思い込んで、心折れないように頑張っていきたいと思います。
10年間業界経験のある山越さんが、それでも「自分ができないことに向き合う」ために飛び込んだジーズ。その選択が示すのは、G’sが単にプログラミングを学ぶ場所である以前に、“次の一手を本気で考える人が集まる場所”だということかもしれません。
G’sでは、経験者も未経験者も同じスタートラインに立ちながら、それぞれの目標に向かって学んでいます。
気になった方は、まずは無料説明会へお越しください!